臨床研究

臨床研究について

当院は、医療の質と向上に寄与・貢献するため、良い治療法の開発と医学的データの収集を目的とした「臨床研究」を実施しています。
ご参加いただけない場合でも、以降の診療における不利益は一切ございませんのでご安心ください。

当院で実施中の臨床研究

下肢痛を伴う脊髄損傷後患者様に対する脊髄硬膜外電気刺激による疼痛緩和治療および下肢運動感覚機能や膀胱直腸機能などの神経機能改善の有無に関する研究

本内容は「脊髄損傷後疼痛(下肢痛)患者に対する脊髄円錐部硬膜外刺激の多面的効果について」と題した研究課題として、2019年度の兵庫県医師会勤務医研究助成として採択されております。

下記の条件にすべて当てはまる患者様はぜひご相談ください。

  • 脊髄損傷後6か月以上経過した方
  • 臀部あるいは下肢に痛みを有する方
  • 胸髄以下の損傷の方(脊髄下端の著明な損傷を有する方は除外されます。)
  • ASIA(American Spinal Cold Injury Association)分類でCまたはDの方

これらは両上肢や手には障害はなく、完全な麻痺ではないものの、両下肢(あるいは片方の下肢)に障害を持たれていて、ADLが主に車椅子の方が対象となります。

なお、本治療(研究)対象外の方でも、疼痛にお困りの方に対する、通常の脊髄硬膜外電気刺激治療に関して、ご相談のうえ、対応させていただきます。

目的

脊髄損傷患者様において、65~85%の方が痛みを経験し、その1/3が慢性期に薬剤抵抗性の体幹、臀部や四肢の疼痛を経験されるという報告があります。

難治性疼痛に対しては、脊髄硬膜外刺激電極留置術が保険適応となっており、脊髄損傷後疼痛も、その適応疾患であり、一定の治療効果があるとされております。 また、脊髄下端である脊髄円錐上部、円錐部はそれぞれL4(第4腰髄)-S2(第2仙髄)髄節、S3(第3仙髄)髄節以下、が存在するとされており、律動的な歩行運動や膀胱直腸機能の中枢が存在するとされます。 このため、近年、海外より、下肢の完全運動麻痺患者さまにおいて、同部位への電気刺激を行い、起立動作が可能となったという報告がみられております。
また、かつてより、同部位から分岐したS2-4神経への電気刺激により、膀胱の良好な収縮が得られたという報告もあります。

そこで、本治療(研究)では、本邦の適応基準を遵守する形で、下肢痛を有する脊髄損傷患者さまにおいて、脊髄円錐上部、円錐部への硬膜外刺激電極を留置し、 電気刺激を行うことで、疼痛緩和だけでなく、体幹バランス、歩行運動、排尿、排便機能などの神経機能に対する何らかの効果が得られるかどうか、結果的に活動量の向上やQOLの改善をもたらすかどうかを明らかとすることを目的とさせていただきます。

本治療(研究)の流れ

入院前

当科外来にて本手術や治療(研究)内容について、詳細にご説明させていただきます。
ご同意いただけましたら、当院リハビリテーション科での運動感覚機能評価、泌尿器科での膀胱機能評価をさせていただきます。 活動量計をお渡しし、ご自宅での1週間以上の歩数、消費カロリーなどの活動量を計測いただく予定です。

手術
medtronic

刺激電極は脊髄円錐上部から円錐部を十分に覆えるように、MRI対応の16極シート型電極を使用予定です。脊椎椎弓切除により電極留置を行い、一期的に臀部皮下へgeneratorの留置を行う予定です。

術後

刺激部位や強度の調整を行い、痛みのコントロールを行います。
さらに調整をすすめ、体幹バランス、運動感覚機能や膀胱直腸機能に変化(改善)がみられるか、評価させていただきます。

退院後
medtronic

外来フォローさせていただきます。ご自宅での1週間以上の歩数、消費カロリーなどの活動量を計測いただく予定です。

画像提供:メドトロニック

二宮 貢士(にのみや こうし)

脳神経外科

略歴 2003年 大阪大学医学部医学科卒業、大阪大学脳神経外科医局に入局
大阪医療センター脳神経外科、泉州救命救急センター、JCHO大阪病院脳神経外科、関西労災病院脳神経外科などでの勤務を経て、2016年より現職に至る
2016年 スイスSt.ANNA病院へ脊椎外科フェローとして短期留学
2015年 大阪大学大学院卒業、医学博士
資格・所属学会 医学博士
日本脊髄外科学会認定医・指導医
日本脳神経外科学会専門医・指導医

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